「公務員の就職に役立つ資格ならとっておきたいな」
公務員試験勉強で忙しいところ、もう一歩先に進んでおきたいという気持ちがあるあなた。
「公務員試験のために日々努力し、ほかの受験者と差別化したい。」
「大学在学中に公務員の業務に役立つ資格をとっておきたい。」
ライバルと差をつけるためにさらに努力したいとお考えのかたは少なくないと思います。
試験のときや入職してから役立つ資格として元政令市職員が以下の3つを考えます。
- FP
- 宅建
- 簿記
Contents
就職試験時には面接のときに役に立つ
筆記試験はやっぱり専用テキスト
就職試験での、筆記試験では直接響く資格はあまりありません。
大学での法律や政治、経済の勉強をしっかりやれば、筆記試験はだいぶ楽になるでしょう。
筆記試験対策の本命はやっぱり、試験対策用の予備校での講義やテキスト、そして何度も過去問を繰り返すことです。
面接試験では志望動機を言うときに
論文や面接試験では、自分の志望動機や、職員になったときどう仕事に貢献していきたいかを語る場面があります。
自分がこれからやりたいことを実現するにあたり、既に資格を持っていることで、そのやりたいことが具体的にイメージしやくすなります。
ただし、残念ながら資格をもっているだけでは即戦力とはいえません。
他の公務員組織や民間企業で実務を経験することは、未経験の有資格者よりもずっと使える人材です。
しかしながら、地方公務員として今後活躍していく意気込みを補強する意味で、入職後の実務に役立つ資格をもっていることは、熱意があると見られるでしょう。
入職後では実務で役に立つ
晴れて市役所職員として入職すると、様々な部署に配属となります。
部署によっては手厚く体系的な研修ののち、実務にのぞむところもあれば、先輩職員から引き継ぎもそこそこにすぐに窓口対応を任されるところもあります。
実際に市民を相手にしたとき、真に必要に迫られて自分で調べることが、一番の知識やスキルを習得する場面だと思います。
しかしながら、次に紹介する資格を持っていたり、資格がなくても学習した知識があると、市民応対に幅が出てきます。
FP(ファイナンシャルプランナー)
FPの概要
FPは、幅広い家計に関わる知識が求められます。
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。
引用:日本FP協会
FPが役立ちそうな部署
まず、住民税、国民健康保険、国民年金、介護保険などの税や社会保障の担当部署。
市民と直接応対しながら、難解な制度を説明し、納得してもらったうえで手続きを進めます。
もちろん、FPの学習内容では知識が足りません。
しかし、例えば、住民税の部署では健康保険や介護保険の部署と密接に連携をとる場面があります。
この連携をとるにあたって、自分の担当でない健康保険や介護保険の仕組みを概要でも知っておくと、市民の方をスムーズに案内できることができます。
自分の部署の知識は深く理解することができても、別の部署となると知りたくてもなかなか研修できる機会はありません。
そこで、FPの資格を得る際の幅広い知識が有効となります。
次に、固定資産税、用地買収、都市計画などの不動産にかかわる部署です。
こちらも、FPの資格試験の学習により、幅広く概要を学ぶことができます。
不動産にかかわる業務は、経験しないとイメージも湧きにくい内容ですが、事前に学習しておくことで仕事が円滑になるはずです。
最後に人事・労務の部署。
人事・労務の業務を行うのは、なにも人事部門だけではありません。
それぞれの部署には庶務という担当があり、その庶務が部署内の労務を担っています。
公務員には雇用保険はありませんが、部署ごとに臨時職員を雇う機会は多くあり、ハローワークに雇用保険の手続きを行うのは庶務の約目です。
宅建(宅地建物取引士)
宅建の概要
宅建は、不動産に関わる専門知識を有する資格です。
宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することに基準が置かれています。(宅建業法施行規則第7条)
試験の内容は、おおむね次のとおりです。(同第8条)
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
- 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
- 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
- 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
- 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
- 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
- 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
引用:不動産適正取引推進機構
宅建が役立ちそうな部署
固定資産税、用地買収、都市計画などの部署です。
不動産に関わる業務は、市役所でも多いですが、どれも専門的知識が求められます。
というのも、不動産に関する業務は、法令や制度が複雑なことに加え、事例の一つ一つが特殊です。
複雑な制度をわかりやすく市民に噛み砕いて伝えるには、その制度に精通していることが必要です。
さらに、知識のない市民だけでなく、プロで活躍している不動産業者や士業の方を相手にする場面も多くあります。
もちろん、日々の勉強や研修、業務によって知識を積み上げていく必要はありますが、宅建や宅建の受験勉強で習得した知識は他の職員に差をつけることになるでしょう。
簿記
簿記の概要
簿記は、民間の会計に関する技能ですね。
簿記は、企業規模の大小や業種、業態を問わずに、日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。
簿記を理解することによって、企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく、財務諸表を読む力、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。また、ビジネスの基本であるコスト感覚も身につきますので、コストを意識した仕事ができるとともに、取引先の経営状況を把握できるために、経理担当者だけではなく、全ての社会人に役立ちます。さらに、公認会計士や税理士等の国家資格を目指す方や他の資格・検定と組み合わせてキャリアアップを考えている方々にも必須の資格といえます。
引用:日本商工会議所
簿記が役立ちそうな部署
まず、水道、下水道、公営病院などの企業会計の部署。
この企業会計の部署では、ズバリ複式簿記の民間ほぼ同様の会計制度ですので、簿記の学習で得た知識はダイレクトに影響してきます。
市によっては、キャリアプランで簿記専門などの人事制度が入職後に用意されているところもあります。
また、財務部門でも簿記の知識は役立つようになりました。
試験勉強を進めているかたはご存知かと思いますが、公務員組織は通常、現金主義・単式簿記で、民間とは異なる会計制度、つまり簿記で学習した内容とは別の独自の会計制度でした。
しかし、以前から複式簿記の会計制度だった東京都以外でも、国の指導により、今後の財政の説明責任をはかっていくという目的で、現金主義・単式簿記では把握できない情報を市民に説明してくため、複式簿記による発生主義会計がもとめられるようになっています。
どの自治体でも複式簿記による財務諸表を作成することになりましたので、財政部門でも簿記の知識は役立つようになりました。
まとめ
- FP
- 宅建
- 簿記
これらの資格については保有していれば入職後の実務に役立ちます。
試験に合格しなくても、勉強した内容は無駄にはなりません。
配属先での専門的な知識を深めるにあたり、知識を受け入れる土台ができていることは、必ず自分を助けれくれます。
公務員試験を見据えている方、公務員試験の目処が立った方は、頭が勉強に慣れているうちに他の資格試験勉強にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。